みなさんこんにちは！Build Visionです！
今回は、太陽光発電・急成長の弊害についてのニュースをご紹介。欧州各国の太陽光発電への転換スピードは目まぐるしく、ポーランドに至っては、ここ4年間で発電量が677%増加したとか。このスピード感と反比例して、課題解決が全く追いついていないようです。他にも、2030年には寿命を迎えた大量の廃棄物が出る見込みでリサイクル技術や素材開発が急務。また「あのギラギラした形状が景観を壊す」と、そもそも設置すら拒まれる例は世界中にあります。
ここでオランダらしい解決策を提案したのが、ソーラーデザイン事務所 Marjan van Aubel Studio。「ドバイ万博2020」ではオーガニック素材や染料を用いた、ステンドグラスのような色付き太陽光パネルをパビリオンに設置。色の組み合わせにより植物の光合成を促し、空間を涼しくする効果もあったとか。
先週末から大阪万博が開催されましたね。こんなユニークな展示があったよ！という方は、ぜひ教えてください！
太陽光発電の急成長:欧州電力市場に「共食い」の懸念（ヨーロッパ・エネルギー）
ヨーロッパにおける太陽光発電の導入量が急速に増加するにつれて、電力市場において「共食い(cannibalization)」と呼ばれる現象が顕著になってきている。これは、特に日射量の多い時間帯に太陽光発電が大量に発電されることで、電力の供給過多となり、卸売電力価格が大幅に下落する状況を指す。ドイツのエネルギーコンサルタント会社Enervisの分析によると、この 「共食い」現象は、国境を越えて影響を及ぼし始めている。例えば、ドイツで太陽光発電が大量に発電された場合、隣国の電力市場にも価格下落の圧力がかかる可能性がある。これは、再生可能エネルギーの普及が進む上で、電力系統の運用や市場設計における新たな課題を示唆している。この課題に対処するためには、電力系統の柔軟性を高めるための投資や、余剰電力を貯蔵・活用するための技術開発、そしてヨーロッパ各国間のエネルギー政策の連携が不可欠となる。再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限に活かしつつ、電力市場の安定性を維持するための戦略が求められている。
ENG↓
Rapid growth of solar power: concerns of ‘cannibalisation’ in the European electricity market (Europe, Energy).
With the rapid growth of photovoltaic power generation across Europe, a phenomenon known as “cannibalisation” has become increasingly apparent in the electricity market. This refers to a situation where a substantial amount of solar power is produced—particularly during periods of strong solar radiation—leading to an oversupply of electricity and a marked reduction in wholesale electricity prices. According to an analysis by German energy consultancy Enervis, this cannibalisation effect is beginning to have cross-border repercussions. For instance, a significant surplus of solar energy generated in Germany may exert downward pressure on electricity prices in neighbouring countries as well.
This development presents new challenges for power system operation and electricity market design as renewable energy becomes more prevalent. To tackle these issues, it will be crucial to invest in enhancing grid flexibility, develop technologies to store and utilise surplus electricity, and foster closer coordination of energy policies among European nations. Effective strategies will be essential to maintain market stability while harnessing the full potential of renewable energy.