現代はなんでもインターネットで買えますし、海外のメーカー、ブランドの商品も個人で購入できるようになりました。好きなメーカーだけど日本に取扱店がない、という場合はとても嬉しいサービスですよね。しかしその輸送にかかるCO₂の排出量も気になるところ。今回はそんなジレンマを解決してくれるかもしれないニュースをお届けします。以前のニュースレターでもお届けしたように、フィンランドは「幸福度8年連続世界一」の国。そしてAIや技術革新の目的を「人々の幸福のために使う」というビジョンを掲げ、環境問題の改善も幸福の一つであるととらえています。ちなみに同じく北欧で幸福度ランキング2位のデンマークも、技術革新は「快適な社会・地域・組織づくり」のためにあると捉え、単なる技術力の向上やイノベーションだけを狙ったものではなく「住む人」の暮らしやすさを目的にしているそうです。幸福度が低いと言われている日本ですが、これを機に、どの国が何を目的として技術革新を進めているのか、分析してみるのも面白いかもしれません。
モジュール式炭素回収技術で 貨物船のCO₂量を70%削減
(フィンランド・テクノロジー)
フィンランドの船舶・エネルギー関連のテック企業「Wärtsilä -ヴァルチラ」が、貨物船から排出されるCO₂の最大70%を回収 できるモジュール式システムを開発。このシステムは、船舶の排気ガスからCO₂を回収、液化して船上のタンクに貯蔵する仕 組みで、2025年2月からエチレン輸送船「Clipper Eris」に搭載され、1日あたり50tのCO₂を処理する実証試験が行われてい る。Wärtsilä 社によればCO₂回収コストは1tあたり約50~70€で、これは将来課される罰金よりもはるかに安価で経済的にも有利とされている。さらに、この技術は既存の船舶への後付けも可能だそうだ。また、回収したCO₂を再利用する取り組みも 進めており、技術が実用化され、世界中で採用されれば年間最大7億tの排出量を削減できる可能性がある。
ENG↓
Modular Carbon Capture Technology Cuts Cargo Ship CO₂ Emissions by 70% (Finland, Technology)
Finnish maritime and energy technology company Wärtsilä has developed a modular system capable of capturing up to 70% of CO₂ emissions from cargo ships. The system works by extracting CO₂ from the vessel’s exhaust gases, liquefying it, and storing it in onboard tanks. A pilot project is currently under way on the ethylene carrier Clipper Eris, which has been operating the system since February 2025, capturing up to 50 tonnes of CO₂ per day.
According to Wärtsilä, the cost of capture is estimated at €50 to €70 per tonne, significantly lower than potential future carbon penalties, making the technology economically advantageous. The system is also retrofittable, allowing it to be installed on existing vessels. In parallel, Wärtsilä is exploring ways to reuse the captured CO₂. If widely adopted, this technology could reduce global annual emissions by as much as 700 million tonnes.)
参考ニュース:https://newatlas.com/environment/carbon-capture-system-cuts-cargo-ship-emissions-70/